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新卒で入社してからネットワークエンジニアの部門に配属されたけど、そもそもネットワークエンジニアってどんな仕事かしら?全然イメージが付かなくてとても不安。。。
チャーチルさん
ポン先生
全く経験のない事だから仕方ないね。まずは全体のイメージを持ってみよう。
誰でもやった事がなければ、疑問や不安があって当然です。日常的に親しみがある職業であればまだしも、エンジニアはあまり親近感はないと思いますし、やはり取っ付きにくい部分はあります。
本記事では新卒社員や転職で初めてネットワークエンジニアになる人向けにその仕事内容を解説します。ざっくりでも仕事のイメージが付けば、不安を払拭したり自分が何をやるべきか考える事ができるので是非参考にしてみてください。
HAL校長
目次
ネットワークエンジニアの仕事
ネットワークエンジニアの仕事は主に企画・構築・運用
ネットワークエンジニアの仕事は大きく分けると以下3つです。
- 企画:既存システムの課題と必要な対策を考える
- 構築:新規でシステムを作る
- 運用:システムが動き続けるよう世話をする
詳細は後々深掘りしていきます。上記はどちらかというと、ITエンジニア全般の仕事内容ですがこの記事では『ネットワークエンジニアの場合は例えばどんな仕事なの?』という所も解説していきます。
顧客 ≒ 情報システム部門
※注意:このサイトは主にSIerのネットワークエンジニア目線での記載になります。『他の会社では違うよ~』という点もあると思いますがその点はご容赦ください。
まず最初に顧客の事を理解しておきましょう。どんな相手に仕事をするか把握する事でネットワークエンジニアの仕事内容を理解する事ができます。
一番の顧客となるのはズバリ、企業の情報システム部門の人です。なんとなくイメージできると思いますが社内のITシステムの面倒を見ている人達です。例えば皆さんが毎日会社で利用するPCや社内のネットワーク周り、メール等のアプリケーションまで業務上必要なシステムを見ています。
情報システム部門の部門の仕事内容はこんな感じです。
-
企画:既存システムの課題と必要な対策を考える
-
構築:新規でシステムを作る
-
運用:システムが動き続けるよう世話をする
ポン先生
略して“情シス”と言ったりするね^^
情シスとネットワークエンジニア(SIer)との関係
SIerのネットワークエンジニアの仕事内容は情シスの仕事内容とリンクすると言って良いでしょう。なぜならSIerは情シスから依頼を受けて仕事することがメインだからです。
よってSIerのネットワークエンジニアの仕事内容も情シスと同じ「企画・構築・運用」がメインとなる訳です。
なるほど~情シスと同じ仕事をするのか!
チャーチルさん
ポン先生
厳密には全く同じじゃないし、内容によっては一部だけSIerに依頼するというパターンもあるけど、関連はするという事を覚えておこう。
そもそも、『情シスが自前でやれば良いじゃん』と思うかもしれせんが、わざわざコストをかけて外部のSIerへ依頼する主な理由は以下になります。
- リソース不足(人手が足りない)
- スキル不足(自分達の技術力では対応が難しい)
- アウトソーシング(手を動かす作業は外部へ委託、自分達は別仕事、という方針)
重要なのは『顧客がなぜSIerへ仕事を依頼するのか』を理解することです。例えば、
- 全く知見のない技術に関する支援をして欲しい案件
- 技術的には問題ないが量が多く、作業員をたくさん手配して欲しい案件
この2つの案件では対応内容やアウトプットはだいぶ変わって来ます。まずは相手がどうして欲しいのかを知る事です。“ちょっとした困った”が案件のキッカケになりSIerの仕事は始まる訳です。
「企画・構築・運用」の仕事内容
では冒頭に出た、「企画・構築・運用」の仕事内容をネットワークエンジニア目線でもう少し深堀りしていきましょう。
企画
企画は既存システムの課題から改善案を出す、新たに必要な仕組みを考える、と言った仕事です。“企画”というと難しそうに聞こえますが、ここはイメージしやすいよう具体例を見ていきましょう。
課題:「通信量が多く社内ネットワークが遅い」
上記の課題に対し、企画段階では以下のような検討をしていきます。
- 今までは100Mbpsのルータだったので1Gbps対応機種に交換しましょう
- ルータだけ1Gにしても意味ないので周辺のスイッチも交換ですね
- そしたら回線も増速した方が良さそうかな
- 待って!そんなに一度には今期の予算ではできないから優先順位を付けてやりましょう!
- また、今後は何の通信がどれくらい発生しているか可視化する仕組みを導入しましょう
- ネットワーク機器単体で実装できるパターンと、別でサーバ立てるパターンがあるね
- それぞれのメリット・デメリット、費用を比較して決めましょう。まずは情報収集から
と、こんな事を考えて行く訳です。企画段階では、導入する機器やサービスそのものを考える事も重要ですが、
- どんなメリット/デメリットがあるか
- 導入にどの程度期間がかかりそうか
- 費用はどの程度かかりそうか
- 運用負荷や対応フローはどうなるか
などなど導入する理由や見通しを立てることが重要となります。
ある程度は顧客側で検討し、纏まってからSIerへ依頼するというケースもあれば、企画段階からSIerが入り対応するケースもあります。いずれにしても 企画は未来を描く仕事です。どんな未来にしたいか、目標は何かをハッキリさせる重要なフェースになります。
ポン先生
因みに、一般的にハードウェア(ネットワーク機器やサーバ等)はメーカ保守期間の関係で5年程度の利用が見込まれる。なので(検討対象がハードウェアの場合)企画は向こう5年のシステムを考える仕事とも言えるね。
構築
やること(導入するサービスや機器)が決まったらいよいよ構築です。導入するものや案件内容によりますが大まかには下記の様な流れです。
- 基本設計・・・・全体の構成やコンセプトを決める
- 詳細設計・・・・細かい設定値を決める
- セッティング・・詳細設計に基づいて機器の設定をする
- 事前試験・・・・設計通りに動作するか試験する
- 本番導入・・・・本番環境に機器を設置したり動作確認を行う
例えば先程の社内ネットワークが遅い件で、一旦ルータを交換する事になりました。ルータ交換の場合で考えると、構築作業はこんな感じになります。
- 基本設計・・・・ネットワーク構成図を新ルータの情報で更新する
- 詳細設計・・・・既存ルータから踏襲する設定と追加が必要な設定を精査する
- セッティング・・詳細設計に基づいてルータに設定を投入する
- 事前試験・・・・PCを接続して通信できるか確認する
- 本番導入・・・・既存ルータから新ルータへケーブルを差し替え動作確認を行う
案件によっては、必ずしも新機器の導入とは限らず、既存機器の設定変更のみだったり、OSのバージョンアップだったりします。また、物理的なハードウェアの作業でなくクラウドサービスの導入といったパターンもあるので上記はあくまで一例です。
いずれにしても構築は『やりたいことを実現する、SIer業務のメインディッシュ』であることは覚えておきましょう。ネットワークエンジニアとしても上記の作業一つ一つに丁寧な対応が求められますが、腕の見せ所でもあります。
ポン先生
ただ、構築に注目が行きがちだけど、事前の準備だったり作った後のフォローだったり、実際には総合的な対応が必要だよ!
運用
導入したらハイ終わり、とならないのが企業のインフラです。むしろ導入後のユーザ利用が本番です。日々ユーザが適切にシステムを利用できるように守って行く業務が運用です。運用の主な業務内容は下記の通りです。
- 監視・・・・・・・・・障害が起きていないか監視サーバから定期的に通信確認
- 障害対応・・・・・・・障害が発生した際に調査や復旧作業をする
- 簡易的な設定変更・・・スイッチポートの設定変更など
- 運用報告・・・・・・・障害や設定対応、通信の傾向等の履歴取り纏めや報告
- 運用課題の整理・・・・運用上の課題を企画へフィードバック
とにかく運用は守りが重要です。ユーザから見ると社内ITシステムは利用できて当然です。メールやファイルサーバが利用不可、それだけで生産性は下がりビジネスチャンスを失います。そのような機会損失を防ぐ意味でも運用は非常に重要であり、“会社全体の業務を支える仕事”と言えるでしょう。
また、運用の中で判明した課題が企画時に検討されます。例えば
『通信速度が遅い』という事象が発生している
↓
運用内で原因調査を行う
↓
『ユーザ数と利用アプリの拡大による通信量の増加』が原因と判明した
↓
この事実は共有され、企画時に『ハイスペックな機器に交換しましょう』と検討される
と言った具合です。
書き方としては『企画→構築→運用』となりがちですが、実際には『企画→構築→運用→企画→構築→運用→・・・』のイメージです。気持ち的には企画や構築に目が行ってしまいがちですが、運用は次回企画のネタ集めの場でもあると覚えておきましょう。
また比較的、SIerは構築まで、運用は顧客側または別の運用ベンダーに任せるというパターンが多いです。なのでSIerのネットワークエンジニアの場合だと、運用に関わる機会が少ないかも知れませんがその辺りは会社の方針次第です。
ポン先生
運用サービスを自社で持ってるSIerもいるけど、それなりの規模の会社じゃないと企画・構築・運用全部やるのは難しいんだなー
ネットワークエンジニアを目指すならCCNAを取得しよう!
CCNAとはCisco社のメーカ認定資格です。CCNAの取得はネットワークエンジニアの基本的な知識やCisco製品の理解の証明になります。
特定メーカの資格で役に立つの?実際には他メーカの機種も扱うんじゃないの?
チャーチルさん
ポン先生
確かに業務上Cisco以外の機器を扱うことはあるだろうけど、最初にCiscoを勉強しておくと他の機器も理解しやすくなるんだ。
Ciscoは数あるネットワーク機器メーカの内の1社ですがディファクトスタンダードと言われています。つまり業界標準として位置付けられており、他メーカ機種でもCiscoのコマンドライン等を参考にしている事が多いです。そのため初見の機器でもCiscoと設定方法が似ており、「大体は分かる」なんてケースも多々あります。ネットワークエンジニアとしてはCiscoの学習はむしろ必須と言えるレベルでしょう。
また、Ciscoの資格と言っても独自仕様や製品の話だけでなく、ネットワークの一般的な知識も必要です。Cisco製品と言えベースはネットワークの標準規格に基づいて設計されており、CCNA取得でネットワークの一般的な知識も習得可能です。
上記理由からCCNAは非常におすすめの資格です。ネットワークエンジニアとして本格的に活躍したいのであれば是非チェックすべきでしょう。
【CCNAとは】難しい?勉強は?Cisco資格の登竜門 基本解説
まとめ
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ネットワークエンジニア(主にSIer)の仕事
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企画:既存システムの課題と必要な対策を考える → 未来を描く仕事
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構築:新規でシステムを作る → やりたいことを実現する仕事
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運用:システムが動き続けるよう世話をする → 会社全体の業務を支える仕事
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顧客≒情シス
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情シスの仕事の一部がSIerに降りてくるイメージ
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企画→構築→運用は常に回し改善し続ける
この記事ではSIerのネットワークエンジニアを想定し、仕事のイメージを纏めてみました。エンジニアというだけで正直取っ付きにくいイメージがあると思います。ましてやネットワークのエンジニアって何???って気持ちはあるでしょう。この記事ではあまり深い業務内容の話はせずざっくりの全体感やイメージをお伝えしました。仕事内容としてはまだまだ語る事はありますが何となくでもイメージできれば幸いです。